見終わったあと、しばらく席を立てなかった。
主人公の悲劇への追い詰め方。フリッツ・ラングは本当に容赦ない。観ていて胸が苦しくなる。
表現主義の名残っぽい箇所にもわざとらしさを超えた凄みを感じた。刑務所内での思い切った影の使い方や、霧の中からピストルを持ったヘンリー・フォンダが現れるところ。
ヒロインのシルヴィア・シドニーがまた素晴らしい。
これを観てシルヴィア・シドニーのファンにならない人っているのかな。
タイトに作られている上に、メロドラマ的要素も強い。
なおかつラングにしか不可能な強烈さも完璧に表現されている。
ラング入門編としては最適だ。
これを観ていける!と思ったら、「死刑執行人もまた死す」をぜひ。これはとんでもない映画。