面白い映画教えます

君がいた夏

ジョディ・フォスターの実力を思い知る

スティーブン・カンプマン&ウィル・オールディスの「君がいた夏」は、ジェニファー・オニールがとびきり美しかった「おもいでの夏」と同様、夏〜海〜年上の女ラインのこのジャンルの王道パターン作品だ。切ないストーリーにかなり泣かせられる。
そして、ジョディ・フォスターがとにかく素晴らしい。

主人公はくさった日々を送る挫折した野球選手。
ある日、母親から電話がくる。母親の話では、彼が少年の頃に憧れていた女性が自殺した、と。
この自殺した女性を演じるのがジョディ・フォスターだ。
彼女の遺書には、自分の遺灰を葬ってほしい人がいる、その人は自分をどこに葬ってほしいのか知っている、と書いてあった。
その人というのが主人公である。
主人公と年上の女はもう十何年間も会っていないにもかかわらず、そう記してあったというのだ。

マーク・ハーモン演じる主人公は、彼女の死をきっかけに、かつての輝いてた時を思い出す。
そして彼女の遺灰を葬ることで、青春時代と決別する。
それまでは、あの輝いていた時をひきずっていた。だから、自分にスポットライトが当たっていない現状に、完全にくさっていた。
だが、もう一度、現実を直視してそれでも野球にかかわっていこうと決意する。
その女性は彼の人生の舵取りをするような存在だったのだ。

ジョディ・フォスター演じる年上の女の自殺の理由がいっさい語られていないことが切ない。
主人公にとって、彼女は健康的に輝いている記憶しかないのだから余計に切ない。
で、記憶の中の輝いてる女を演じるジョディ・フォスターが本当に素晴らしい。生命感あふれる感じとでもいうか。ジョディ・フォスターのベストではないだろうか、この演技、存在感は。
彼女の短期間でのアカデミー賞2回ゲットは、「君がいた夏」との併せ技だと勝手に思っている。「タクシードライバー」の少女娼婦の頃から特殊な役柄ばかり演じてたけれど、これで、その実力を思い知った。

マーク・ハーモンは、くさってる感じはよく出ているが、もう1回やり直すぞ!という前向きさが無い。ハーモンの子供の頃と高校時代を演じた2人の子役が素晴らしかっただけにやや残念だった。
また、デビッド・フォスターのあまりにも情緒過多な音楽もやかましい。
そんなわけで難点が無いわけではないが、それを補って余りあるジョディ・フォスターの素晴らしさ、そしてストーリーの切なさを味わってほしい映画だ。

(オイカワ)